あとがき

 構想途中、ヌシ=ニニギ、湯婆々=コノハナサクヤ、銭婆=イワナガヒメという図式も浮かんだりしましたが、やめました。無理がありすぎる…。

 最後は元の世界で幸せになる構図ですしね…。

 どうしてこんな話になったかは、実は池袋のショットバーから始まります。

 学生時代の友人何人かと飲みに行って、愛とか恋って結局何なのよ。とか、そんな話になりました。(いい年した男女4人で何の話をしとるか…。)

 で、そこで私言い張ったのですね。ヌシっぽい事を。

私「愛されてるなあ。ってどーやって証明すんのさ。」
友人「なんか、こう、ほわっとするっていうか、いっしょにいると安心する、とか。」
私「じゃあさ、いっしょにいて欲しいから、相手に合わせたりとかするわけ?それって打算的じゃない?」
友人「いや、それは打算とかじゃなくてさ。」
私「結局さー、自分の遺伝子保存するために、脳が起こしてる電気信号だってば、錯覚よ、錯覚。」
友人「また、そんなこと言って…。」

 とかなんとか。

 オリジナルキャラというのは須らく自己投影入るそうです。私の場合、痛い程に。(苦笑)
 敢えて自分の考えをヌシに言わせる事で、愛しあう(照れ)ハクと千尋がどんな答えを出してくれるのかなあ。というのの、このお話はそんな答えのひとつです。

 まあ、結果は私の負けなんですが。

 でも、いまだに理解できませんね。(ああ、読んでくださった方にはすごく失礼な気もして、本当に申し訳ないです。)

 際限なく長くなりそうで、随分削りました。元々、ヒコは男で、サルメの君という恋人が出てくる…予定だったのですが、割愛する為に、途中からヒコ、女になってるし。
 若者って書いておいてよかったーと思ったら、一箇所だけ、「男」の記述があり、こっそり訂正とかもしてあります。

 鬼になったお姫様、何だかわけわかんないし。(彼女も、もう少し本筋にからむ予定だったんですが…。)

 なにしろ、こうして、「小説」という形で、(ファンフィクション?SS?)人様の目に触れるような物を書いたのは実は初めてで、(中学の頃は漫画描いてましたが、高校の時、友人とリレー小説とかはやりましたが。)筆力の無さが痛々しく。「荒削り」という言葉に逃げ隠れするように、とにかく、最後まで書こう。と、何とか形にした次第です。
 エピソードに関しても、やや私の体験談等まぜつつ、(電車に乗ってるところとか、酔ってるところとか)すらすら〜と書けたところが、別サイトさんで読んでいたような内容だったり、昔読んだ漫画にあったり。
 湯婆々と銭婆の関係は山田ミネコの「最終戦争」に出てくる十蘭とセオという、やっぱりひとつの体を共有する二人が元だったり、逆鱗を剥がされ、それを持つ相手に襲いかかる…というのは、夢来鳥ねむの「物の怪らんちき戦争」にあったネタです。
 どっちもアップして、何気に漫画喫茶で読んで思い出しました。あう。

 あとは、やはり「もののけ姫」の影響が大きいです。「乾杯とは〜」で、アカカミとクロガミの間に割って入るハクはままアシタカですし、最後のヌシの暴走も、かぶってます。ヌシの最後のセリフ。「ここをいい湯屋にしよう。」あたりは…もう。カオナシの正体もタタリ神っぽいですし。

 ラストシーンで、赤ん坊を抱いた若夫婦。これは、もう美琴さんのサイトで見かけた二人まんまです。影響とか、そういうレベルじゃありません。すいません。すいません。でも、もうあれ以外思いつかなくなってしまったんですよ。(T_T)

 さて、見た目をまったく変えてしまった坊。動きやすくしたかったというだけの理由なんですが、私、本当に坊が好きで、(だったら変えるなよ…。)4回目、見に行った時は、前日徹夜で、ほとんど寝に行ったようなモンだったんですが、湯バードのシーンも、ハク様と呼べ、も、おにぎりのシーンも見事に寝こけていたにもかかわらず、「おんもはあぶないんだぞ、ここで坊とお遊びしろ。」のセリフで目を覚ましたというくらい…。

 ぶっちゃけた話、ハク書くの苦手なんです。あんまし崩せないし。かっこよく書かなくては!というプレッシャーがなかなか、ツライですね。

  実はですね、全部ではないのですが、一応テーマソングというかイメージソングがありまして、タイトルもそのあたりからきているんですが。

 多分一番わかりやすいでしょう。
5.空と海の交わる場所〜ヨノハテ〜
 ポルノグラフィティの「アゲハ蝶」から。いいですよね。曲も歌詞も。

7.カラの王国
 谷山浩子の「王国」から。アルバムタイトル「歪んだ王国」をもじってみました。世界へと続く通路を閉ざせすべて、とか、歪んだ王国に僕達は住んでる、あたりの歌詞をイメージしてみました。

8.宵にはかなき辻ヶ花
 クレヨン社の「辻ヶ花浪漫」から。昔NHKでやっていた、「まんがで読む古典」シリーズの雨月物語のエンディングテーマソングで、せつなーい、曲なんですよ。これがまた。

10.秘色〜守りたかった何か〜
 これはタイトルの方が無理やりです。秘の文字を入れたくて、秘色という単語をわざといれたというこれのイメージソングは宇多田ヒカルの「can you keep a secret?」です。
 いや、歌詞ではなくて、曲のイメージです。というか単に私が好きなだけか…。

11.時の止まった部屋
 歌からではなく、アニメのサブタイトルから…。(^^ゞしかも、宇宙の騎士テッカマンブレードです。(何故!?)語感がよくて、というのと、この話、本当に悲しくて、いやテッカマンが、ですよ。最終回のLDだけ、持っている。という熱の入りよう。
 もはや何だかわかりませんね。

 あとは、まあ、話の内容にあわせてつけてます。

 ただ、まあ、ミナモト〜いつか帰る場所〜は、ヨノハテと対になるようにしてみました。

 最後の方、少年漫画していたりとか。
「俺にかまわず先に行け!」みたいな。

 実は矛盾いっぱいのつっこみどころ満載ではありますが、私としては最後まで書けただけでうれしいです。少なくとも、これを書いている間、私の頭は「不思議の町」を漂っていて、今もその幸福な余韻にひたっております。

 最後に、リンクを張ってくださったサイトさん。メールで感想送ってくれた方。そして何より、読んでくれた皆様…。本当にありがとうございました。

 実は成長した坊と、千尋とハクの娘の話を、よくあるパターンですいませんが、後日談的に書こうともくろんでおります。興味をもたれた方はそちらもよろしくお願い致します。

 それでは、乱文にて失礼いたします。

うにのだんす・拝
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